ガラスの色とは?何色?色はどうやってつけるの?特性に変化はないの?

ガラスは何色?

ガラスの断面を見るとソーダ石灰ガラスは緑色に、ホウケイ酸ガラスは淡黄色に見えます。これは、原料に含まれている金属イオンのためです。

例えば、ソーダ石灰ガラスの場合、溶融段階で原料中に不純物として微量の酸化鉄が含まれており、この酸化鉄が光の緑色付近以外の波長を吸収するため、薄い緑色に見えます。表面からでも色は見えますが、断面から見るとガラスの奥行きをより深く見ることになる為、よりよく色が分かります。

また、石英ガラスは金属不純物の割合が極端に少ないため、透明度がとても高く、無色透明に見えます。

どうやって色を付けているの?

前述の通り、原料そのものに含まれている金属イオンによって色が着くガラスですが、この性質を利用し、溶融製造段階で着色剤と呼ばれる金属酸化物(硫化物や塩化物の場合もあります)を加えることでガラスに希望の色を付けることができます。同じ着色剤を使っても、ガラスの成分が変わると色が変わることがあり、また、ガラスを溶融する条件によっても色が変わることがあります。

例えばソーダ石灰ガラスでは、マンガンで紫色、ニッケルで青紫色、ネオジウムで赤紫色、コバルトや銅で青色、クロムで緑色、セレンやチタン(還元)で赤色になります。

その他にガラスの表面のみを着色させる方法として、ガラス中のナトリウムイオンを銅イオンや銀イオンなどと置換させ、金属コロイドを析出させることで着色させるイオン交換法(ステイン)や、着色低溶融ガラス(エナメル状)を塗布し焼き付けて着色させるプリント法などがあります。

色をつけても、特性に影響はないの?

着色剤を数%添加することによってそれまでと異なる発色をさせることができますので、ガラスの他の特性にはほとんど影響を与えないようにすることができます。使用する材料によって当初の特性を保持したまま色だけを変えることができます。

なぜガラスに色を付けるの?

ガラスに色を付けることは、美しい工芸ガラスを創る目的のほかに、日光による劣化を防ぐためや、特定の色の光だけを取り出すためのフィルターなどの目的にも使われます。