水酸化アルミニウムとは?用途は?外国産が多いけど品質は?どうやって購入するの? 水酸化アルミニウムの疑問にお答えします。

水酸化アルミニウムとは

水酸化アルミニウムとは、アルミニウムの製造過程でできる、無機化合物です。その外観は白色粉末で、ボーキサイトという赤褐色の鉱石から取り出されます。普段の私たちの生活で直接目にする機会は少ないですが、実は私たちの生活に関わる身の回りの多くの物に使用されています。

難燃性という特徴を活かした家の壁材や壁紙、白色という特徴を活かした陶器製の洗面容器や人工大理石のキッチンカウンター、電気絶縁性という特徴を活かした半導体や絶縁部材(電線の被膜など)等。水道水の濁りを除去する凝集剤にも水酸化アルミニウムが使用されています。

国産はあるの?外国産ってどうなの?

そんな水酸化アルミニウムですが、1972年のロンドン条約によりボーキサイトを洗浄する際に出てくる赤泥の海洋投棄が原則禁止に。日本では海洋廃棄をしていたため、ボーキサイトからの製造は外国へ移行されました。

ボーキサイトは熱帯雨林地域、元熱帯雨林地域にて採掘されるため、オーストラリア、中国、ブラジル、インドネシア、ギニア、インド等で加工・輸出が多く行われています。日本では水酸化アルミニウムを粒径の大きい状態で輸入して、各企業で様々なサイズに粉砕したり白色度を高めたりして加工・販売している企業もあります。

異なる白色度・純度・樹脂との相性など

水酸化アルミニウムの品質は、粒径の分布、白色度、純度、樹脂との相性、流動性など用途によって様々です。例えば、私たちが普段の生活で目にするキッチン天板の人工大理石や陶器の洗面ボウルは、特に白色度の高い水酸化アルミニウムが求められます。当然、この白色度も企業により異なります。用途によって、一社購買はお勧めされず、各社のサンプルを比較検討するべき材料となります。例えば、中国の大手水酸化アルミニウムメーカーの特徴は、その圧倒的な供給量と価格です。細かい条件が求められる場合には、他国の水酸化アルミニウムも検討したいところです。

安定の中国製品、これからに期待大のインドネシア製品

中国には大小合わせて水酸化アルミニウムメーカーが沢山ありますが、日本市場において有名なのはチャルコ品ではないでしょうか。品質が安定しており、数多くの企業様にて使用していただいております。

そんな中、インドネシア品の輸入量が少しずつ増えてきております。製造を一旦ストップしていたPT Indonesia Chemical Alumina(ICA)社ですが、2019年より製造を再開。少しずつラインナップを増やし、供給を世界に広げています。この企業の最大の特徴は、安定した品質と材料であるボーキサイトの安定的な確保が可能な点です。親会社は国営企業で、ボーキサイトの発掘事業を行っているため、今後70年間は供給には困らないと考えられています。今後、ボーキサイトの輸出については国によって制限が出てくるとも言われており、自国で材料を購入できるICA社の強みと言えるのではないでしょうか。 前田硝子では中国チャルコ、インドネシアICA品の取り扱いがございます。カタログが欲しい、サンプルを評価してみたい等、遠慮なくお問い合わせください。