紫外線殺菌灯用石英ガラスとは?仕組みは?なぜ石英ガラスが使われるの?

石英イメージ

紫外線殺菌灯って何?~紫外線殺菌灯の仕組みと石英ガラスが使われる理由~

紫外線殺菌灯は、その名の通り、紫外線を放出し、殺菌をするためのランプです。自然界において紫外線は、太陽のエネルギーから放射されます。太陽は、目に見える光だけでなく、人の目に見えない紫外線や赤外線も放出しています。紫外線には、波長の長い方からA,B,Cという分類があります。短波長のUV-Cを浴びると生物の細胞やたんぱく質は化学変化を起こします。一般的にこのUV-Cオゾン層に吸収されてしまいます。そこで、UV-Cによって起こる、この現象を利用して殺菌効果を持たせたランプが紫外線殺菌灯です。

紫外線殺菌灯の仕組み

紫外線殺菌灯は、従来は蛍光灯の様に筒状のガラスの中に気体を封入し、そこに電気を流して気体中の金属原子に電子を当てて紫外線を放出させています。また、比較的新しいLEDから紫外線を放出させるタイプのものも出てきています。

この紫外線がカバーとなっているガラスの外に飛び出すことによって対象物が紫外線を浴びて、不活性化されるのです。

紫外線殺菌灯のイメージ

紫外線殺菌灯に使われるガラス

紫外線殺菌灯は、その仕組みで記載したようにカバーにガラスが使われます。ガラスはその組成から有機化合物である樹脂と違い、無機化合物であり紫外線による劣化がほとんどありません。また、比較的硬度も高く、科学的にも安定している物質です。ガラスにもいろいろと種類がありますが、紫外線殺菌灯に使われるのは、このガラスの中でも特にケイ素の純度の高い石英ガラスというガラスが使われています。

なぜ石英ガラスなの?

私達の身の周りでよく使われている窓ガラスや自動車のガラスなどは、ソーダガラスと言われるガラスです。普通のガラスと石英ガラスの最大の違いはこちらに記載しているようにその透明度です。ソーダガラスの場合は不純物である微量の金属を含むため3mm程度の厚みがあると紫外線を30%から40%吸収してしまいます。しかし、石英ガラスの場合は、非常に純度が高い為、ほとんど紫外線を吸収することなく透過することができます。特にUV-LEDと言われる紫外線を発するLEDは、まだ出力が高くないため、カバーするガラスの透過性は大変重要になってきます。紫外線劣化がほとんどなく、科学的に安定していて、透過性が高い、これこそが石英ガラスが紫外線殺菌灯に使われる理由なのです。