板ガラスの切断技術

ガラスを割るということ

ガラスはワレモノです、落としたりぶつけると割れる壊れやすいものです。 簡単に割れてしまうのですが、意図的に直線に割ることは難しいのです。 割れる起点(クラック)が有り、そこからクラックが伸びていくのがガラス割れの原理です。 起点からのクラックの伸び方向を目標に誘導すれば、ガラスは真直ぐに切断ができます。

スクライブ切断

昔ながらのガラス屋さんの切り方です。 ガラスカッターで表面に直線のキズを書き、開くように山折りするとキズに沿って割れます。 切断面はエッジが立ってカミソリのように危険なので、面取り処理を行っています。 私どもが取り扱っている基板ガラスのほとんどが、この切断法を使用しています。 筋入れ(キズ入れ)はNCで自動化されましたが、折割りは今も手加工です。

スライシング、ダイシング

ノコギリで切るイメージ、人工ダイヤなどの砥粒を付着させた丸ノコで切ります。 この方法はガラスを割るのではなく、歯の厚み分を削りながら切断します。 摩擦熱を発生するので水や油をかけながら切断しています。 ダイシングはスライシングの一種ですが、小さく精密なものを加工するための 装置仕様になっております。

レーザーカット

端面からカレットが発生しないなどのメリットがあり、微小欠点を嫌うディスプレイ基板に 近年使用が増えています。 レーザーの熱と気体での冷却を組み合わせ、端部に付けたクラックを伸ばして切断します。 ガラスを焼き切る「溶断」のレーザー加工法もあり、異形の加工などに使用されます。

ウォータージェット

ガーネットなどの砥粒を水と一緒にノズルから吹き出し、ガラスを切断します。 厚いもの、大きなものも加工できます。 レーザーに比べるとラフなので、前工程や装飾関係に使われることが多いです。 この方法も割るのではなく、砥粒で削りながらの切断です。